同じマンションなのに家賃が違うのはなぜ?賃料差の理由を解説
賃貸物件を探していると、同じマンションなのに、
「5階は12万円、8階は11万円」
など、似たような広さ・間取りでも家賃が違うことがあります。
「普通は上の階の方が高いのでは?」と疑問に思うかもしれません。
しかし、同じマンションでも家賃が違うことは珍しくありません。
階数や方角、部屋の位置などの違いだけでなく、いつ募集されたか、その時点の賃貸相場、貸主の募集方針などによっても賃料は変わるためです。
同じマンションでも家賃が違う主な理由
主な理由を整理すると、次のようになります。
| 理由 | 賃料に影響するポイント |
|---|---|
| 階数 | 高層階・低層階など |
| 方角・位置 | 日当たり、眺望、角部屋など |
| 広さ・間取り | 面積や間取り形状の違い |
| 設備・内装 | 設備交換、リフォームなど |
| 募集時期 | 募集された時点の賃貸相場 |
| 一次・二次募集 | 募集時期を分けたことによる条件差 |
| 貸主の判断 | 反響や申込み状況による条件の見直し |
| 所有者の違い | 分譲賃貸などで住戸ごとに貸主が異なる |
ポイントは、「部屋そのものの違い」だけで家賃が決まるわけではないことです。

階数が高いほど必ず家賃が高いわけではない
同じマンションで広さや間取りも似ている場合、一般的には眺望や日当たりなどの条件によって、上層階の賃料が高く設定されることがあります。
ただし、
「上の階=必ず高い」
「下の階=必ず安い」
という決まりではありません。
たとえば、次のような募集も考えられます。
| 部屋 | 広さ | 募集時期 | 募集賃料 |
|---|---|---|---|
| 8階 | 30㎡ | 2年前 | 11万円 |
| 5階 | 30㎡ | 現在 | 12万円 |
同程度の広さなのに、下の5階の方が高くなっています。
この場合、5階の方が部屋の条件が良いとは限りません。
8階を募集した2年前と現在では、周辺の賃貸相場や需要などが変わっている可能性があるからです。
そのため、階数だけを見て「この部屋は高い」「こちらは安い」と判断するのは難しいことがあります。
募集時期が違えば同じ建物でも家賃は変わる
賃貸物件の募集賃料は、建物が完成したときに決めた金額が、その後ずっと固定されるわけではありません。
新しく空室を募集するときには、その時点の市場や物件の状況などを踏まえて募集条件が設定されます。
そのため、
2024年に募集された部屋と
2026年に募集された部屋
では、同じマンション・同程度の広さでも募集賃料が違うことがあります。
実際に賃貸市場全体の募集家賃も変動しています。
アットホームが公表した2026年7月の募集家賃動向では、賃貸マンションの平均募集家賃は、東京23区を含む首都圏の全エリア・全面積帯で前年同月を上回っています。
つまり、同じ建物の部屋を比較するときにも、「何階か」だけではなく「いつ募集された部屋なのか」まで見ることが大切です。

経済情勢や周辺の賃貸相場も影響する
募集賃料を考える際には、そのマンションだけを見るとは限りません。
たとえば、
- 周辺の類似物件はいくらで募集されているか
- そのエリアで賃貸需要が高まっているか
- 競合する物件が多いか少ないか
- 以前の募集条件でどの程度反響があったか
なども、貸主側が募集条件を検討する際の材料になり得ます。
また、物価や建物の維持管理に関するコストなど、経済環境が変化することもあります。
ただし、経済情勢が変化すれば自動的に家賃が○%上がる、という仕組みではありません。
最終的な募集条件は物件や貸主の判断によって異なります。
一次募集と二次募集で家賃が違うこともある
新築マンションなど、多数の住戸を募集する物件では、すべての部屋を一度に募集せず、募集するタイミングを分けることがあります。
ここでは分かりやすく、
最初の募集=一次募集
その後の募集=二次募集
として考えてみます。
たとえば、
| 募集 | 階数 | 広さ | 募集賃料 |
|---|---|---|---|
| 一次募集 | 8階 | 30㎡ | 11万円 |
| 二次募集 | 5階 | 30㎡ | 12万円 |
ということもあり得ます。
一次募集を開始したところ、想定以上に問い合わせや申込みが多かった。
そこで貸主側が、
「現在の条件では安いかもしれない」
と判断し、その後に募集する住戸について条件を見直すことも考えられます。
その結果、後から募集された下の階の方が、先に募集された上の階より高くなることもあります。
なお、「一次募集」「二次募集」という呼び方や募集方法がすべての賃貸物件で統一されているわけではありません。
重要なのは、同じ建物でも募集するタイミングが違えば、条件まで同じとは限らないという点です。
募集途中でも賃料などの条件が変わることがある
募集条件は、募集を開始したら必ずそのまま最後まで続くわけでもありません。
たとえば、
11万円で募集開始
↓
問い合わせや申込みが非常に多い
↓
周辺の募集状況なども確認
↓
現在の募集条件では安すぎると判断
↓
新たな募集条件を12万円に変更
といった見直しが行われることも考えられます。
反対に、問い合わせが少なければ、賃料を下げたり、礼金などの募集条件を変更したりする場合もあります。
つまり、募集賃料は市場の反応などを見ながら見直されることがあります。
ただし、これは「現在募集している物件の条件を変更する」という話です。
すでに締結されている賃貸借契約の賃料が、募集条件を変更しただけで自動的に変わるという意味ではありません。

分譲賃貸では同じマンションでも貸主が違うことがある
分譲マンションの一室が賃貸に出されている「分譲賃貸」では、さらに別の理由があります。
たとえば、
501号室はAさん所有
502号室はBさん所有
というように、同じマンションでも住戸ごとに所有者が異なることがあります。
この場合、それぞれの貸主が募集条件を決めるため、同程度の広さ・階数でも賃料や礼金などが違うことがあります。
「同じマンションだから同じ貸主」とは限らない点にも注意しましょう。
設備やリフォーム状況が違う場合もある
同じマンションで同じような間取りに見えても、室内の状態まで同じとは限りません。
たとえば、
- キッチンや浴室などの設備を交換している
- エアコンなどの設備が新しくなっている
- 床や壁などをリフォームしている
- 間取りの一部を変更している
など、住戸ごとに違いがあることがあります。
募集図面だけで判断せず、設備や室内状態まで比較してみることが大切です。
同じ「号室」なのに不動産会社によって家賃が違う場合は?
ここまで説明してきたのは、主に同じマンション内の別々の住戸で家賃が違うケースです。
一方、
「同じマンション」
「同じ号室」
「同じ時期」
なのに、掲載している不動産会社によって賃料が違う場合は確認した方がよいでしょう。
貸主側で募集条件が変更された直後などには、掲載情報の更新タイミングによって、一時的に新旧の条件が表示されている可能性もあります。
気になる場合は、現在の正式な募集条件を不動産会社へ確認しましょう。
SUUMOやat homeなどに表示される「情報更新日」の見方については「SUUMO・アットホームの更新日は最新?空室確認の注意点」の記事でも詳しく解説しています。
安い部屋があれば同じ家賃にしてもらえる?
同じマンション内に安い部屋があるからといって、検討している部屋も同じ賃料になるとは限りません。
比較するときは、
階数・広さ・方角・位置・設備・貸主・募集時期・契約条件
などを確認する必要があります。
特に見落としやすいのが募集時期です。
「上の階が11万円なのに、下の階が12万円だから下の階は割高」とは限りません。
上の階が以前の募集条件で、下の階が現在の相場を踏まえた新しい募集条件という可能性もあります。
気になる部屋がある場合は、「なぜこの住戸と賃料が違うのか」を不動産会社へ確認してみるとよいでしょう。
まとめ
同じマンションでも、家賃が違うことは珍しくありません。
賃料差が生まれる理由は、階数や方角、設備など部屋そのものの違いだけではないからです。
特に覚えておきたいのは、
「どの部屋か」だけでなく「いつ・どのような条件で募集されたか」でも賃料は変わる
ということです。
そのため、同じ広さなら上層階が必ず高いとは限らず、募集時期によっては下の階の方が高くなることもあります。
一次募集と二次募集で条件が変わったり、募集開始後の反響や市場状況などを踏まえて募集条件が見直されたりすることもあります。
同じマンションの部屋を比較するときは、単純な家賃の高い・安いだけではなく、階数・設備・募集時期・現在の相場・契約条件まで含めて比較することが大切です。
