同じ物件を複数の不動産会社に見積もってもらえる?比較するときの注意点
結論:同じ賃貸物件について、複数の不動産会社に初期費用の見積もりを依頼することは可能です。
同じ部屋を複数の不動産会社が紹介できるケースもあり、契約前であれば、それぞれの会社から見積もりを取って比較することもできます。
ただし、単純に「合計金額が一番安い会社」を選べばよいとは限りません。
同じ物件でも、不動産会社によって仲介手数料や付帯サービスなどが異なることがあるため、「どの項目に差があるのか」を確認することが大切です。
同じ物件でも複数社から見積もりを取れる
賃貸物件では、1つの部屋を複数の不動産会社が取り扱っていることがあります。
たとえば、同じマンションの同じ部屋が、
- A社
- B社
- C社
それぞれのホームページや不動産ポータルサイトに掲載されているケースです。
このような物件であれば、各社へ問い合わせて初期費用の見積もりを出してもらうことができます。
「ほかの会社にも見積もりをお願いしたら失礼では?」
と心配する方もいますが、契約前に費用や条件を確認して比較すること自体に問題はありません。

なぜ同じ物件なのに見積もりが違うの?
「同じ部屋なら、どの不動産会社でも初期費用は同じでは?」
と思うかもしれません。
実際には、同じ物件でも見積額に差が出ることがあります。
理由は、初期費用には大きく分けて、
①貸主・管理会社側で決まっている費用
と
②仲介する不動産会社によって違うことがある費用
が含まれているからです。
貸主・管理会社側で決まっていることが多い費用
代表的なものは、
- 敷金
- 礼金
- 前家賃
- 日割り家賃
- 保証会社の初回保証料
- 鍵交換費用
- 火災保険料
- 管理会社指定の費用
などです。
同じ募集条件を前提としているのであれば、こうした費用は基本的に同じになることが多いです。
ただし、契約条件の変更や見積もりを作成した時期などによって金額が変わることもあるため、違いがあれば理由を確認しましょう。
不動産会社によって違うことがある費用
特に比較したいのが、
仲介手数料や仲介会社独自のサービス費用です。
仲介手数料については法律に基づく上限が定められています。
国土交通省によると、賃貸借の媒介で不動産会社が貸主・借主双方から受け取れる仲介手数料の合計は、原則として賃料1か月分×1.1以内(税込)です。
また居住用建物の場合、原則として一方から受け取れる金額は**賃料1か月分×0.55以内(税込)**ですが、依頼を受ける際に承諾を得ている場合などは取り扱いが異なります。
そのため、同じ物件でも、
A社:仲介手数料1か月分+消費税
B社:仲介手数料0.5か月分+消費税
C社:仲介手数料無料
という違いが生じることがあります。
見積もりは「合計金額」だけ比較しない
複数社から見積もりを取ったら、合計金額だけを見るのではなく、項目ごとに横並びで比較するのがおすすめです。
| 項目 | A社 | B社 | 確認ポイント |
|---|---|---|---|
| 敷金 | 10万円 | 10万円 | 同じか |
| 礼金 | 10万円 | 10万円 | 同じか |
| 仲介手数料 | 11万円 | 5.5万円 | 差が出やすい |
| 保証料 | 5万円 | 5万円 | 保証会社・プランを確認 |
| 鍵交換費用 | 2.2万円 | 2.2万円 | 必須か確認 |
| その他費用 | 3万円 | 0円 | 内容を確認 |
※金額は説明用の例です。
このように並べると、
「なぜ5万円安いのか」
が見えやすくなります。

特に確認したいのは「その他費用」
見積書に、
「安心サポート」
「消毒費」
「除菌施工」
「抗菌施工」
「入居サポート」
「書類作成費」
「事務手数料」
などが記載されていることがあります。
ただし、名称だけを見て「不要な費用」と判断するのはおすすめできません。
貸主や管理会社が契約条件として設定しているものもあれば、仲介会社側のサービスとして設定されているものもあるからです。
気になる項目があれば、
「この費用は契約上必須ですか?」
と確認してみましょう。
安い見積もりを出した会社を選んでも大丈夫?
費用だけでなく、対応面も確認して決めるのがおすすめです。
たとえば、
- 質問への回答が明確か
- 見積もりの内訳を説明してくれるか
- 物件のデメリットも説明してくれるか
- 契約条件をきちんと確認しているか
- 入居までのスケジュールを説明してくれるか
などです。
数千円~数万円安くても、説明が不十分で契約条件を理解できないまま進んでしまうのでは不安が残ります。
「費用」と「対応」の両方を比較して選ぶとよいでしょう。
見積もりを比較するときの注意点
①同じ条件で見積もってもらう
入居予定日が違えば、日割り家賃や前家賃などが変わる可能性があります。
比較するときは、
同じ物件・同じ部屋・同じ入居予定日
など、できるだけ条件をそろえましょう。
②見積もりに入っていない費用がないか確認する
一見安く見えても、必要な費用がまだ見積書に含まれていないことがあります。
「契約までに必要となる費用は、これですべてですか?」
と確認しておくと比較しやすくなります。
③見積もりの作成時期を確認する
賃貸物件の募集条件は途中で変更されることがあります。
昨日の見積もりと今日の見積もりでは、条件そのものが変わっている可能性もあります。
金額が違う場合は、同じ時点の募集条件をもとにしているかも確認しましょう。
④「安い=必ずお得」とは限らない
見積額が違ったときに重要なのは、
「どちらが安いか」ではなく「なぜ違うのか」
を確認することです。
片方の見積もりに必要な費用がまだ計上されていないだけなら、最終的な支払額はほとんど変わらない可能性があります。
申込み後に相見積もりする場合は注意
物件を比較している段階で見積もりを取るのと、すでに入居申込みをした後に仲介会社を変更しようとするのでは状況が違います。
申込み後に、
「別の会社のほうが安かったので、そちらから申し込み直したい」
となると、一度現在の申込みを取り下げて再申込みが必要になる場合があります。
その間にほかの申込みが入れば、現在の申込み順位を維持できない可能性もあります。
そのため、費用を比較したい場合は、できるだけ申込み前に確認しておくのがおすすめです。

他社の見積書を見せて相談してもいい?
基本的には問題ありません。
たとえば、
「他社では仲介手数料がこの金額でした。同じ条件にできますか?」
と相談する方法があります。
ただし、すべての費用を値下げできるわけではありません。
貸主や管理会社が設定している費用など、不動産会社の判断では変更できないものもあります。
そのため、
「この金額にしてください」
と交渉するより、
「この2つの見積もりで金額が違う理由を教えてください」
と聞くほうが、違いを正確に把握しやすいでしょう。
よくある質問
Q. 同じ物件を3社以上に見積もってもらってもいい?
可能です。
ただし、会社数を増やしすぎても比較が大変になるため、気になる会社を数社に絞って比較すると分かりやすいでしょう。
Q. 見積もりを取ったら契約しないといけない?
通常、見積もりを取っただけで賃貸借契約を締結したことにはなりません。
費用や条件を確認したうえで検討できます。
Q. 同じ物件なら敷金・礼金も同じ?
同じ時点・同じ募集条件であれば同じになることが多いですが、募集条件の更新時期などによって違いが生じる可能性があります。
差がある場合は、不動産会社へ最新の募集条件を確認してもらいましょう。
Q. 仲介手数料が安い会社でも同じ物件を契約できる?
その会社が物件を取り扱えるのであれば、契約できる可能性があります。
ただし、すべての不動産会社がすべての物件を仲介できるわけではありません。
まずは物件名や募集情報を伝えて、取り扱い可能か確認しましょう。
まとめ|同じ物件だからこそ「内訳」を比較しよう
同じ賃貸物件を複数の不動産会社に見積もってもらうことは可能です。
そして、同じ部屋でも仲介会社によって見積額が違うことがあります。
比較するときに大切なのは、合計金額だけで判断しないことです。
特に、
- 仲介手数料
- その他のサービス費用
- 見積もりに含まれている項目
- 入居日などの計算条件
- 最新の募集条件かどうか
を確認しましょう。
見積額に差があったら、
「どちらが安い?」ではなく「どの項目が、なぜ違う?」
と比較すると、本当に必要な費用が分かりやすくなります。
みつぼし不動産では、初期費用について分からない項目がある場合や、見積もりの内容について疑問がある場合もご相談いただけます。
契約を急ぐ前に、費用の内訳を一つずつ確認しておきましょう。
