同じ賃貸物件をたくさんの不動産会社が紹介しているのはなぜ?
賃貸物件を探していると、
「この部屋、さっき別の不動産会社でも見た」
「同じ部屋なのに5社も10社も掲載している」
ということがあります。
初めて部屋を探す方だと、
「同じ部屋を何社も扱っていて大丈夫なの?」
と不思議に思うかもしれません。
しかし、これは賃貸では珍しいことではありません。
同じ物件を複数の不動産会社が紹介している大きな理由は、不動産会社同士で物件情報を共有し、入居者を募集する仕組みがあるためです。
この記事では、なぜ同じ物件がいろいろな不動産会社から掲載されるのか、その仕組みをわかりやすく解説します。
- 結論|同じ物件を複数社が紹介するのは珍しくない
- 賃貸物件は「その会社だけの商品」とは限らない
- 不動産会社同士には物件情報を共有する仕組みがある
- なぜ管理会社はほかの不動産会社にも紹介してもらうの?
- 「10社掲載=10部屋空いている」ではない
- では、どの不動産会社に問い合わせても同じなの?
- なぜ同じ物件なのに掲載内容が少し違うことがあるの?
- 掲載している会社が多い=人気物件とは限らない
- たくさん掲載されていても、すでに申込みが入っていることがある
- 同じ物件を見つけたら何社にも問い合わせるべき?
- 同じ物件が何社にも載っているのは「おとり広告」?
- よくある質問
- まとめ|同じ物件を複数社が紹介するのは賃貸では珍しくない
結論|同じ物件を複数社が紹介するのは珍しくない
まず知っておきたいのは、
「物件を管理している不動産会社」と「入居希望者を案内する不動産会社」は同じとは限らない
ということです。
たとえば、あるマンションの1室をA不動産が管理しているとします。
A不動産だけで入居者を探すこともできますが、より多くの人に物件を紹介してもらうため、ほかの不動産会社にも募集情報を公開することがあります。
すると、
- A不動産
- B不動産
- C不動産
- D不動産
など、複数の会社が同じ部屋をお客様へ紹介できるようになります。
そのため、SUUMOやat homeなどを見ていると、同じ部屋が複数の不動産会社から掲載されていることがあるのです。
賃貸物件は「その会社だけの商品」とは限らない
ここが、初めて部屋を探す方には少しわかりにくいところです。
不動産会社のホームページやポータルサイトに物件が掲載されていると、
「この物件は、この不動産会社が持っている物件なのかな?」
と思うかもしれません。
しかし、必ずしもそうではありません。
賃貸仲介では、大家さんや管理会社などから募集情報が公開され、ほかの不動産会社がその情報をもとに入居希望者を紹介することがあります。
つまり、
物件を募集・管理する会社
↓
物件情報を不動産会社間で共有
↓
複数の仲介会社がお客様へ紹介
という流れがあります。
そのため、同じ物件を複数社が取り扱うこと自体は特別なことではありません。
不動産会社同士には物件情報を共有する仕組みがある
不動産業界には、不動産会社同士で物件情報を共有する仕組みがあります。
代表的なもののひとつがREINS(レインズ)です。
REINSは不動産会社向けの物件情報システムで、登録された売買・賃貸物件情報を宅地建物取引業者が閲覧できます。
そのほかにも、賃貸では管理会社や業者間流通サイトなどを通じて募集情報が共有されることがあります。
そのため、B不動産が自社で管理していない物件でも、
「現在募集中です」
「紹介可能です」
という情報を確認できれば、お客様へ紹介できる場合があります。

なぜ管理会社はほかの不動産会社にも紹介してもらうの?
理由はシンプルです。
できるだけ多くの入居希望者に物件を知ってもらうためです。
たとえば、1社だけで募集するよりも、
管理会社
↓
複数の仲介会社
↓
それぞれのお客様
という形にしたほうが、物件を知ってもらえる機会が増えます。
大家さんにとっても、空室期間が長くなればその間の家賃収入が入りません。
そのため、広く入居者を募集する目的で、複数の不動産会社が紹介できるようにしている物件があります。
「10社掲載=10部屋空いている」ではない
ここは特に注意したいポイントです。
ポータルサイトで同じ部屋を10社が掲載していたとしても、
同じ部屋が10室空いているわけではありません。
1つの空室を10社がそれぞれ掲載しているだけ、ということがあります。
たとえば、
101号室 募集中
という1つの募集に対して、
A不動産 → 掲載
B不動産 → 掲載
C不動産 → 掲載
D不動産 → 掲載
となっているイメージです。
つまり、
掲載会社数 ≠ 空室数
です。
「こんなにたくさん掲載されているなら、まだ余裕がありそう」
とは限らないので注意しましょう。

では、どの不動産会社に問い合わせても同じなの?
物件そのものは同じでも、不動産会社まで同じではありません。
違いが出る可能性があるのは、たとえば次のような部分です。
| 比較するポイント | 違いが出る可能性 |
|---|---|
| 家賃・管理費 | 基本的には募集条件に基づく |
| 敷金・礼金 | 基本的には募集条件に基づく |
| 仲介手数料 | 会社によって異なる場合がある |
| その他の費用 | 会社・契約条件によって異なる場合がある |
| 対応スピード | 会社によって異なる |
| 説明のわかりやすさ | 担当者によって異なる |
| 交渉・確認の対応 | 会社によって異なる |
そのため、
「同じ物件なら、どこの不動産会社でも完全に同じ」
とは限りません。
物件だけでなく、初期費用の説明や対応の速さ、契約条件をきちんと説明してくれるかなども確認して選ぶとよいでしょう。

なぜ同じ物件なのに掲載内容が少し違うことがあるの?
同じ部屋なのに、
「こっちは写真が20枚あるのに、もう一方は5枚しかない」
「説明文が違う」
「初期費用の書き方が違う」
ということもあります。
これは、それぞれの不動産会社が掲載情報を作成しているためです。
使用している写真や紹介文、掲載項目などが異なることがあります。
ただし、賃料や敷金・礼金などの重要な募集条件まで違っている場合は確認したほうがよいでしょう。
情報の更新タイミングなどによって、一方だけ古い募集条件が残っている可能性もあります。
掲載している会社が多い=人気物件とは限らない
これもよくある勘違いです。
同じ物件をたくさんの会社が掲載しているからといって、
必ずしも「ものすごく人気がある物件」という意味ではありません。
反対に、
「たくさんの会社が掲載しているから、なかなか決まらない物件なのでは?」
とも限りません。
掲載会社数は、物件の人気だけではなく、募集方法や広告掲載の方針などによっても変わります。
そのため、掲載会社数だけで物件の良し悪しを判断するのはおすすめできません。
たくさん掲載されていても、すでに申込みが入っていることがある
ここも重要です。
複数の不動産会社が同じ部屋を掲載している場合、どこか1社を通じて申込みが入れば、その部屋の募集状況は変わります。
しかし、すべての広告がまったく同じタイミングで更新・削除されるとは限りません。
そのため、
「いろいろな会社が掲載しているから、まだ募集中だろう」
と思って問い合わせたところ、
「すでに申込みが入っています」
となることもあります。
ポータルサイトの掲載件数だけで判断せず、気になる物件があれば不動産会社に最新の募集状況を確認することが大切です。
同じ物件を見つけたら何社にも問い合わせるべき?
必ずしも、掲載しているすべての会社へ問い合わせる必要はありません。
同じ部屋であれば、まずは信頼できそうな不動産会社へ、
「現在も募集中ですか?」
と確認してもらえばよいでしょう。
そのうえで、
- 初期費用はいくらになるか
- 不要な費用が含まれていないか
- 契約条件をきちんと説明してくれるか
- レスポンスが遅すぎないか
- 質問に対して曖昧な回答をしないか
などを確認するのがおすすめです。
同じ物件を扱えるのであれば、最終的には「どの会社から借りるか」も重要になります。
同じ物件が何社にも載っているのは「おとり広告」?
複数の不動産会社が同じ物件を掲載しているという理由だけで、おとり広告になるわけではありません。
不動産会社間で募集情報が共有され、複数社が同じ物件を紹介することは通常あります。
一方で、
- 実際には存在しない物件
- すでに契約済みなどで取引できない物件
- 実際には取引する意思がない物件
などを集客目的で広告することは「おとり広告」として問題になります。
つまり、
「同じ物件が何社にも掲載されている」ことと「おとり広告」は別の話
として考える必要があります。
よくある質問
Q. 同じ物件を複数の不動産会社が掲載していても大丈夫?
はい。珍しいことではありません。
不動産会社同士で物件情報を共有し、複数の仲介会社が同じ物件を紹介できる場合があります。
Q. 掲載会社が多いほど空室も多い?
いいえ。
1つの空室を複数社が掲載していることがあります。
掲載会社数と実際の空室数は別です。
Q. どの不動産会社から申し込んでも家賃は同じ?
基本となる募集条件は同じ情報をもとにしていることが多いですが、仲介会社独自の費用などによって初期費用総額に差が出る場合があります。
見積書を確認して比較しましょう。
Q. 何社にも問い合わせたほうがいい?
必ずしも必要ありません。
最新の募集状況を確認でき、費用や契約条件についてきちんと説明してくれる会社を選ぶことが大切です。
まとめ|同じ物件を複数社が紹介するのは賃貸では珍しくない
同じ賃貸物件がたくさんの不動産会社から掲載されているのは、不動産会社同士で物件情報を共有し、複数の会社が入居希望者を探せる仕組みがあるためです。
そのため、
「同じ物件が何社にもある=怪しい」
と考える必要はありません。
ただし、
掲載会社数=空室数ではない
という点には注意しましょう。
たくさんの会社が掲載していても、実際に募集中なのは1室だけということがあります。
また、同じ物件でも不動産会社によって仲介手数料やその他の費用、説明の丁寧さ、対応スピードなどに違いが出る場合があります。
気になる物件を見つけたら、掲載会社の数を見るよりも、
「現在も募集しているのか」「初期費用はいくらなのか」「どのような契約条件なのか」
を確認してから申し込むことが大切です。
