海外在住で日本の賃貸を探すには?帰国前の注意点
海外に住んでいて、日本への帰国や転勤に合わせて賃貸物件を探したい方もいるでしょう。
「海外にいながら申し込める?」
「日本人なら普通に契約できる?」
「契約のために一度帰国しないといけない?」
など、分からないことも多いと思います。
結論からいうと、海外在住でも日本の賃貸物件を探すことはできます。
ただし、海外に住んだまま申込みから契約まで進める場合、すべての物件が対象になるわけではありません。
主に確認したいのは、
- 保証会社が海外在住者の申込みに対応できるか
- 貸主・管理会社が海外からの申込みを認めているか
- 海外から本人確認や審査を進められるか
- IT重説や電子契約などを利用して契約まで進められるか
という点です。
これは外国籍の方だけの問題ではありません。
海外赴任や留学などで現在海外に住んでいる日本人が、帰国前に賃貸物件を探す場合も同様です。
この記事では、海外在住中に日本の賃貸物件を探す場合と、帰国してから探す場合に分けて、注意したいポイントを説明します。
海外在住でも日本の賃貸物件は探せる?
海外在住であることだけを理由に、日本の賃貸物件を一律に借りられなくなるわけではありません。
実際、UR賃貸住宅でも、入居資格を満たせば現在海外に在住している方からの申込みを受け付けています。その場合には、日本国内の連絡先や所定の書類などが必要です。
ただし、民間の賃貸住宅では物件ごとに条件が異なります。
ここで大切なのが、
「海外から物件を検索できる」ことと「海外在住のままその物件に申し込める」ことは別
という点です。
ポータルサイトで希望条件に合う物件を見つけても、海外在住であることを伝えると、その物件では申込みを受け付けられない場合があります。
そのため、海外在住中の部屋探しでは、通常の希望条件だけでなく、海外から申込み・契約まで進められる物件かを確認しながら探すことが重要です。
日本人でも海外在住なら事前確認が必要
「外国籍ではなく日本人だから、普通に申し込めるのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、海外在住者の部屋探しで問題になるのは国籍だけではありません。
海外赴任中などの日本人でも、
- 現在の住所が海外
- 日本国内の住所や電話番号がない
- 日本の住民票を用意できない
- 現在の勤務先が海外
- 帰国に伴って勤務先が変わる
など、国内に住んでいる方とは状況が異なることがあります。
そのため、この記事でいう「海外在住者」には、海外に住んでいる日本人も含まれます。
国籍だけで判断するのではなく、現在どこに住んでいて、いつ帰国・入国し、どのような状態で契約・入居する予定なのかを伝えることが大切です。
海外在住者はすべての物件に申し込めるわけではない
海外から賃貸物件を探す場合に、特に重要なのがここです。
希望する物件を見つけてから海外在住であることを伝えるより、最初から海外在住者でも手続きを進められる物件に絞って探した方が効率的です。
特に確認したいのが、「保証会社」「貸主・管理会社」「契約方法」です。
保証会社が海外在住者に対応できるか
賃貸物件では、指定された家賃債務保証会社への加入が契約条件になっていることがあります。
その場合、指定された保証会社が、現在海外に住んでいる申込者の審査に対応できるかを確認する必要があります。
保証会社によって申込条件や審査方法は異なります。
また、外国籍の方への対応や外国語対応を行っている保証会社であっても、それだけで「現在海外に住んでいる状態から申し込める」とは限りません。
そのため、
「外国人対応の保証会社だから大丈夫」
ではなく、
「現在海外に住んでいる状態でも審査を受けられるか」
まで確認することが大切です。
さらに、利用する保証会社を借主が自由に選べるとは限りません。
物件で指定されている保証会社が海外在住者の申込みに対応しておらず、別の保証会社にも変更できない場合、その物件への申込みが難しくなることがあります。
貸主・管理会社が海外からの申込みを認めているか
保証会社が海外在住者に対応していても、それだけで申込みできるとは限りません。
貸主や管理会社が、海外在住中の申込みを受け付けているかも確認する必要があります。
たとえば、
- 日本国内の連絡先が必要
- 帰国後でなければ契約できない
- 契約時に本人の来店が必要
- 国内で書類を受け取る必要がある
など、物件や管理会社ごとの条件が設けられていることがあります。
つまり、
保証会社が対応可能
=その物件を海外から契約できる
とは限りません。
保証会社だけでなく、貸主・管理会社の条件も確認する必要があります。
海外から契約まで進められるか
海外にいる状態で契約まで進める場合は、契約方法の確認も重要です。
紙の契約書を海外へ郵送して契約する方法に対応していない管理会社もあります。
その場合、海外にいるまま契約するには、電子契約などを利用して手続きを進められる物件であることが重要になります。
そのため、海外から契約まで完了したい場合は、申込み前に契約方法まで確認しておきましょう。

IT重説や電子契約なら海外から契約できる?
現在は、不動産の契約手続きをオンラインで進められる制度が整っています。
賃貸取引のIT重説は2017年10月から本格運用されています。
IT重説とは、宅地建物取引士による重要事項説明を、テレビ会議などを利用してオンラインで受ける方法です。
さらに2022年5月18日からは、宅地建物取引業法に基づく重要事項説明書や契約締結時書面などについても、一定の要件を満たせば電磁的方法で提供できるようになりました。
そのため現在は、
海外からIT重説を受け、必要書面を電子的に受け取り、電子契約に対応している物件であれば契約手続きを進める
という方法も考えられます。
ただし、法律上オンラインで対応できることと、実際にその管理会社が電子契約に対応していることは別です。
IT重説と電子契約は別
「IT重説ができるなら、契約もオンラインで完結する」と思うかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
IT重説は、重要事項説明をオンラインで行う仕組みです。
一方の電子契約は、賃貸借契約などの契約手続きを電子的に行う方法です。
さらに、保証会社の契約など別の手続きが必要になる場合もあります。
そのため海外から契約する場合は、
- IT重説に対応できるか
- 必要書面を電子的に受け取れるか
- 賃貸借契約を電子契約できるか
- 保証会社の手続きも海外から進められるか
を分けて確認するとよいでしょう。

海外からでも本人確認や必要書類の確認はある
オンラインで契約できるからといって、本人確認や入居審査がなくなるわけではありません。
申込みでは、本人確認書類のほか、勤務先や収入などを確認する書類を求められることがあります。
必要書類は、管理会社・保証会社・申込者の状況などによって異なります。
特に海外在住の場合は、国内居住者と同じ書類を用意できないことがあります。
そのため、申込みたい物件が決まってから必要書類を確認するだけではなく、海外在住の状態で何を提出すればよいのかを早めに確認しておくことが大切です。
海外から探すなら最初に「海外在住」と伝える
海外在住者の部屋探しでは、物件を何件も探してから海外在住であることを伝えるより、最初に不動産会社へ状況を伝えることをおすすめします。
たとえば、
- 現在海外に住んでいること
- 日本人か外国籍か
- 現在住んでいる国
- 帰国・入国予定日
- 希望する契約開始日・入居日
- 日本での勤務先や勤務予定
- 国内の連絡先の有無
などです。
あらかじめ伝えておけば、不動産会社側でも保証会社や管理会社へ確認しながら、海外在住の状態で申込みできる物件を探しやすくなります。
内見はどうする?
海外にいる場合、自分で現地へ行って内見することは難しくなります。
不動産会社によっては、オンライン内見に対応している場合があります。
スタッフが現地からビデオ通話をしたり、室内の写真や動画を確認したりする方法です。
日本に家族などがいる場合は、代わりに現地を確認してもらう方法もあります。
ただし、オンラインでは、
- 周辺の音
- におい
- 日当たりの感じ方
- 共用部分の雰囲気
- 駅から物件までの環境
などを十分に確認できないことがあります。
海外から契約できることと、実際に現地を確認して納得して契約できることは別です。
帰国日と契約開始日のズレにも注意
海外から部屋を探す場合は、帰国日だけでなく契約開始日にも注意しましょう。
たとえば、帰国日が10月20日だからといって、必ず10月20日まで契約開始を待ってもらえるとは限りません。
どの程度契約開始日を待ってもらえるかは、物件や募集状況などによって異なります。
帰国日より前から契約を開始すれば、実際に入居していない期間にも原則として賃料等が発生します。
一方で、帰国直前まで契約を待っていると、希望していた物件の募集が終了してしまう可能性もあります。
そのため、帰国日・契約開始日・鍵を受け取れる日をセットで考えることが大切です。
時間に余裕があるなら帰国後に探す方法もある
帰国後すぐに住む場所が必要でなければ、海外にいる間に契約せず、帰国してから物件を探す方法もあります。
たとえば、
- 帰国後しばらく実家に滞在できる
- ホテルなどに一時滞在できる
- 仕事が始まるまで時間がある
といった場合です。
帰国後であれば自分で内見できるため、室内だけでなく、共用部分や周辺環境、駅から物件までの道のりなども確認できます。
また、海外在住のまま契約できる物件だけに候補を限定する必要がなくなるため、物件を探しやすくなる場合もあります。
帰国直後で住民票がなくても申し込めることがある
帰国してから物件を探す場合に気になるのが、住所や住民票です。
帰国したばかりで新居が決まっていなければ、新しい住所の住民票をまだ用意できないことがあります。
このような場合でも、ホテルに一時滞在しているのであればホテルの住所、実家に滞在しているのであれば実家の住所などを申込時の住所として記載し、帰国直後である事情を説明することで申込みを受け付けてもらえる物件もあります。
ただし、すべての物件で認められるわけではありません。
保証会社や管理会社によって申込方法や必要書類は異なります。
また、契約時までに住民票の提出を必須としている物件もあります。
帰国直後で住民票を用意できない場合は、最初に不動産会社へ、
「海外から帰国したばかりで、現在はホテル(または実家)に一時滞在している」
「現時点では新しい住所の住民票を用意できない」
といった事情を伝えておきましょう。
そのうえで、
一時滞在先の住所で申込みを受け付けてもらえるか、住民票はいつまでに必要なのか、現在の事情に応じて提出時期などを調整してもらえるか
を事前に確認しておくと安心です。
海外から申し込める物件だけに絞る必要がなくなるため、帰国後に部屋探しをする時間的余裕がある方にとっては、帰国してから探すことも選択肢の一つです。
海外から探す?帰国後に探す?
どちらがよいかは、帰国後の予定によって変わります。
| 状況 | 検討しやすい方法 |
|---|---|
| 帰国後すぐに住まいが必要 | 海外から探す |
| 帰国後すぐ仕事・学校が始まる | 海外から探す |
| 実家などに一時滞在できる | 帰国後に探す方法も検討 |
| ホテル等に滞在しながら探せる | 帰国後に探す方法も検討 |
| 自分で内見してから決めたい | 帰国後に探す方が確認しやすい |
| 海外対応物件だけに絞りたくない | 帰国後に探す方法も検討 |
海外から契約できるからといって、必ず海外から探した方がよいわけではありません。
いつまでに住まいが必要なのか、一時的な滞在先を確保できるのか、実際に物件を見てから決めたいのかまで考えて選びましょう。

よくある質問
日本人なら海外在住でも普通に申し込めますか?
日本人でも、海外在住の状態では国内居住者と同じように申し込めない物件があります。
保証会社が海外在住者の審査に対応できるか、貸主・管理会社が海外からの申込みを認めているか、契約手続きを海外から進められるかなどを確認する必要があります。
海外在住でも保証会社を利用できますか?
保証会社によって異なります。
外国籍の方への対応や外国語対応を行っている保証会社でも、海外在住中の申込みに対応できるとは限りません。
その物件で利用する保証会社が、現在の状況で審査できるかを確認しましょう。
契約のためだけに日本へ帰国する必要がありますか?
必ずしも必要とは限りません。
IT重説や電子契約などに対応し、保証会社・貸主・管理会社も海外からの手続きを認めている物件であれば、海外にいながら契約まで進められる場合があります。
帰国直後で住民票がなくても申し込めますか?
物件によっては可能です。
ホテルや実家などの一時滞在先を申込時の住所として記載し、帰国直後である事情を説明することで申込みを受け付けてもらえる場合があります。
ただし、申込みや契約時に必要な書類は保証会社・管理会社等によって異なり、契約時までに住民票の提出を求められる物件もあります。
帰国直後の場合は、申込み前に事情を伝え、必要書類と提出時期を確認しておきましょう。
まとめ|海外在住なら「契約できる物件」から探そう
海外在住でも、日本の賃貸物件を探すことはできます。
これは外国籍の方だけではなく、海外赴任や留学などから帰国する日本人も同じです。
ただし、海外に住んだまま契約する場合は、
保証会社が海外在住者に対応できるか
→ 貸主・管理会社が海外からの申込みを認めているか
→ 本人確認・審査を海外から進められるか
→ IT重説・電子契約などで契約まで進められるか
を確認する必要があります。
そのため、海外から探す場合は最初に「現在海外に住んでいる」と不動産会社へ伝え、海外在住の状態でも契約できる物件に絞って探すことが大切です。
一方、帰国後に実家やホテルなどへ一時滞在でき、部屋探しをする時間があるなら、帰国してから探す方法もあります。
帰国直後で住民票がない場合でも申込みを受け付けてもらえる物件はありますが、必要書類や提出時期は物件ごとに異なります。
「海外から探すか」「帰国してから探すか」まで含めて、帰国後の予定に合わせて部屋探しの方法を決めるとよいでしょう。
