間取り図の帖数はどこまで?広さの見方を解説
賃貸物件を探していると、間取り図に「洋室6帖」「LDK12帖」などと書かれています。
では、この「○帖」は、実際にはどこからどこまでの広さなのでしょうか。
何も置かれていない床の部分だけなのか。
キッチン設備が置かれている場所は含まれるのか。
柱の出っ張りがある場合はどうなるのか。
クローゼットなどの収納はどう考えればよいのか。
実は、間取り図の「○帖」は、目に見えている床だけを測った数字とは限りません。
そのため、同じ「7帖」「12帖」と書かれた部屋でも、実際に家具を置いたときの使いやすさや、広さの感じ方には違いが出ることがあります。
この記事では、間取り図に書かれている帖数の基本的な考え方と、物件を見るときに確認したいポイントを分かりやすく解説します。
そもそも間取り図の「○帖」はどう決まる?
まず知っておきたいのが、不動産広告における帖数表示のルールです。
不動産公正取引協議会連合会の「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」では、住宅の居室等を畳数で表示する場合、畳1枚当たり1.62㎡以上の広さがあるという意味で使用することとされています。
さらに、その1.62㎡の基礎となる面積について、
「各室の壁心面積」
と定められています。
つまり、単純に室内で目に見えている床だけを測って「○帖」としているとは限らない、ということです。

「壁心面積」とは?
「壁心(へきしん)」という言葉は、普段あまり聞かないかもしれません。
簡単にいうと、壁などの区画の中心線を基準として面積を測る考え方です。
国土交通省の床面積算定に関する通知でも、建築物の床面積は、壁、扉、シャッター、手摺、柱等の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積によるとされています。
たとえば、壁を上から見た場合、
部屋A
━━━━━━━━━━━━
████████████
---- 壁心 ----
████████████
━━━━━━━━━━━━
部屋B
というイメージです。
壁の室内側の表面だけを基準に測るのとは異なります。
そのため、
「間取り図に7帖と書いてある=目に見える何もない床を測れば必ず7帖になる」
とは限りません。
ここが今回の記事で最も重要なポイントです。

LDK12.8帖なら、どこまでが12.8帖?
ここから具体例で考えてみましょう。
たとえば、リビング・ダイニングと壁付けキッチンが一体になった部屋に、
「LDK12.8帖」
と表示されていたとします。
「12.8帖」と聞くと、
12.8帖分のスペースをリビング・ダイニングとして自由に使える
と思うかもしれません。
しかし、そういう意味とは限りません。
LDKは「リビング・ダイニング・キッチン」です。
つまり、「LDK12.8帖」は「リビングだけで12.8帖」という意味ではありません。
壁付けキッチンの設備部分はどう考える?
たとえばLDKの壁に沿って、
- シンク
- 調理台
- コンロ
などが設置されている壁付けキッチンを考えてみます。
この場合、キッチン設備の手前からリビング側だけがLDKの帖数になる、と考えるのは適切ではありません。
キッチンを含め、リビング・ダイニング・キッチンとして一体になった室全体の帖数として見る必要があります。
つまり、
「LDK12.8帖」=リビング・ダイニングとして自由に使える床が12.8帖ある
という意味ではありません。

同じLDK12.8帖でも使いやすさは違う
さらに重要なのが、同じ帖数でも部屋の使いやすさは同じとは限らないということです。
たとえば、どちらも「LDK12.8帖」だったとしても、
一方はキッチンがコンパクトで、リビング・ダイニング部分を広く取りやすい。
もう一方はキッチンや通路部分の割合が大きく、ソファやダイニングテーブルを置ける場所が限られる。
ということがあります。
キッチンの位置だけでなく、
- 部屋の形
- 通路
- ドア
- 窓
- 家具を置ける壁
などによっても使いやすさは変わります。

洋室7.4帖に柱の出っ張りがあったら?
次は洋室です。
マンションでは、部屋の角などに柱型が室内側へ出っ張っていることがあります。
たとえば、
「洋室7.4帖」
と表示されている部屋の一部に、柱型があるケースです。
この場合も、
「柱を除いた、目に見えている床を測れば必ず7.4帖になる」
と考えない方がよいでしょう。
不動産広告の帖数表示は、各室の壁心面積を基礎としているためです。
ただし、ここで注意があります。
募集用の間取り図だけを見て、
「この柱の面積は全部7.4帖に含まれている」
あるいは、
「柱を除けば正確に○帖になる」
とまで断定することもできません。

クローゼットがある場合、洋室の帖数はどう考える?
ここは少し注意が必要です。
間取り図では、
「洋室7.4帖」+「CL」
のように、クローゼットが洋室とは別に表示されていることがあります。
この表示を見ると、
「CLは7.4帖に含まれない」
あるいは逆に、
「収納も含めて7.4帖」
と判断したくなるかもしれません。
しかし、募集間取り図だけから、個別の「洋室○帖」の算定範囲を正確に特定できるとは限りません。
不動産広告の帖数表示について確認できるルールは、住宅の居室等を畳数表示する場合、1帖を1.62㎡以上とし、その基礎を「各室の壁心面積」とすることです。
一方、建築基準法上の床面積については、国土交通省の通知で、壁だけでなく扉、シャッター、手摺、柱等も「区画」の例として挙げられています。
ただし、この建築基準法上の床面積算定ルールだけから、
「クローゼットの扉の中心が、洋室○帖と収納を分ける境界になる」
などと、募集間取り図上の個別の算定線まで決めることはできません。
したがって、
「CLを除いた、目に見えている床を測れば必ず7.4帖になる」
とも、
「CL内部まで含めて7.4帖」
とも、募集間取り図だけを見て一律に判断しない方がよいでしょう。
「○帖」は部屋の使いやすさを表す数字ではない
ここまでを見ると、
「では、帖数はあまり意味がないの?」
と思うかもしれません。
そんなことはありません。
帖数は、複数の物件を比較するときに広さの目安として使える便利な情報です。
ただし、
「帖数」と「実際の使いやすさ」は同じではない
ということを知っておくことが大切です。
同じ7帖でも、
- 正方形に近い部屋
- 細長い部屋
- 柱型が大きく出ている部屋
- ドアが家具配置に干渉する部屋
では、ベッド・デスク・テレビ台などの配置のしやすさが変わります。
さらに、
- 部屋の縦横の形
- 柱の位置
- ドアの開閉方向
- 収納の位置
- 窓の位置
- キッチンの配置
- 家具を置ける壁の長さ
などによっても使いやすさは変わります。
間取り図を見るときは「帖数+形」を確認しよう
物件を探すときに、
「洋室7帖以上」
「LDK12帖以上」
など、帖数を条件にすること自体は問題ありません。
ただ、その数字だけを見て、
「この家具は置ける」
と判断するのは早いかもしれません。
間取り図を見るときは、帖数と一緒に、
- 部屋の形
- 柱の出っ張り
- キッチンの位置
- 収納の位置
- ドアの開閉方向
- 窓の位置
- 家具を置けそうな壁
- 人が通るための動線
なども確認しましょう。
大切なのは、希望する家具を配置できるか
最後に一番大切なことです。
間取り図の帖数は、物件の広さを比較するための目安になります。
しかし、実際に生活するのは「○帖」という数字の中ではなく、その部屋の形や設備、柱、収納、動線がある空間の中です。
そのため、気になる物件が見つかったら、最終的には実際に内見して、
「自分が置きたい家具を、希望する位置に置けるか」
を確認しましょう。
たとえばベッドなら、
「ベッドをここに置いて、クローゼットの扉を開けられるか」
ソファなら、
「ソファを置いても、人が通れる幅を確保できるか」
ダイニングテーブルなら、
「椅子を引いても、キッチンとの行き来を邪魔しないか」
といったところまで確認します。
置きたい家具が決まっている場合は、内見前に家具の幅・奥行き・高さを測っておくのがおすすめです。
内見時にどこを測ればよいかについては、「賃貸物件の採寸はどこまで?測っておきたい7つのポイント」でも詳しく解説しています。
可能であればメジャーを持参し、家具を置く予定の場所の幅や奥行きを実際に測ると、入居後の生活をさらにイメージしやすくなります。

よくある質問
Q. 「洋室7帖」は、見えている床が7帖あるという意味ですか?
必ずしもそうとは限りません。不動産広告の帖数は各室の壁心面積を基礎として表示されるため、目に見えている床だけを測れば必ず表示帖数と一致する、というものではありません。
Q. LDK12帖なら、リビング・ダイニングとして12帖使えますか?
「LDK12帖」は、リビングだけの広さを表したものではありません。キッチンを含めたLDKという一室の表示なので、リビング・ダイニングとして自由に使えるスペースがそのまま12帖ある、という意味ではありません。
Q. 柱がある場合、柱を除いた部分が表示帖数ですか?
募集間取り図だけから、そのように断定することはできません。帖数は壁心面積を基礎としているため、正確な算定範囲を知りたい場合は、不動産会社などに確認しましょう。
Q. クローゼットは洋室の帖数に含まれますか?
募集間取り図だけでは、個別の算定範囲を判断できない場合があります。「CL」と別表示されているから必ず除外されている、あるいは必ず含まれている、と一律に判断せず、気になる場合は不動産会社に確認しましょう。
Q. 内見では何を測ればいいですか?
ベッドやソファ、ダイニングテーブルなどを置く予定の場所の幅・奥行きを測るのがおすすめです。さらに、収納やドアを開けられるか、人が通るスペースを確保できるかまで確認すると、入居後をイメージしやすくなります。
まとめ|帖数は目安、最後は実際の部屋を確認
間取り図に書かれている「○帖」は、目に見えている床だけを単純に測った数字とは限りません。
不動産広告で住宅の居室等を畳数表示する場合は、1帖=1.62㎡以上で、各室の壁心面積が基礎となります。
LDKならキッチンの位置や設備との関係があり、洋室なら柱型や部屋の形、収納との位置関係などがあります。
だからこそ、
「12帖だから広い」
「7帖だからこのベッドは置ける」
と、帖数だけで判断しないことが大切です。
間取り図でおおよその広さを確認したら、最後は実際の部屋を見て、
希望する家具を希望する場所に配置できるか。
家具を置いたあとも生活しやすい動線を確保できるか。
そこまで確認して、自分の暮らしに合った部屋かどうかを判断しましょう。

