中古マンション購入の流れ|物件探しから引渡しまで解説
中古マンションを購入したいと思っても、
「まず何から始めればいい?」
「住宅ローンの審査はいつ受ける?」
「購入申込みをしたら、もうキャンセルできない?」
「契約から引渡しまで何をするの?」
など、購入までの流れが分からない方も多いのではないでしょうか。
中古マンションの購入は、大きく分けると次の流れで進みます。
資金計画 → 物件探し → 内見 → 購入申込み → 重要事項説明 → 売買契約 → 住宅ローン → 決済・登記 → 引渡し
ただし、住宅ローンの事前審査を受けるタイミングなどは取引によって前後することがあります。
この記事では、中古マンションを探し始めてから引渡しを受けるまでの流れと、各段階で確認しておきたいポイントを順番に解説します。
- 中古マンション購入の流れ
- 1.購入予算と希望条件を決める
- 2.希望条件に合う中古マンションを探す
- 3.気になる中古マンションを内見する
- 4.管理状況・修繕計画を確認する
- 5.購入したい物件が決まったら購入申込みをする
- 6.住宅ローンの事前審査を受ける
- 7.重要事項説明を受ける
- 8.売買契約を締結する
- 9.住宅ローンの本審査・契約を進める
- 10.引渡し前に物件を最終確認する
- 11.残代金を決済し、登記手続きを行う
- 12.鍵を受け取り、物件の引渡し
- 13.引渡し後は入居準備を進める
- 中古マンション購入にはどのくらいの期間がかかる?
- 中古マンション購入で失敗を防ぐ5つのポイント
- 中古マンション購入のよくある質問
- まとめ|中古マンション購入は物件探し前の準備から始まる
中古マンション購入の流れ
一般的な中古マンション購入の流れを整理すると、次のようになります。

すべての取引がまったく同じ順番になるわけではありません。
特に住宅ローンの事前審査は、購入申込み前に行うこともあれば、購入したい物件が決まってから進めることもあります。
そのため、実際のスケジュールは仲介する不動産会社や金融機関に確認しながら進めましょう。
1.購入予算と希望条件を決める
物件を探す前に、まず考えたいのが資金計画です。
「いくらまで住宅ローンを借りられるか」だけではなく、
購入後も無理なく支払い続けられるか
という視点で考えることが大切です。
中古マンションを購入すると、住宅ローン返済以外にも、
- 管理費
- 修繕積立金
- 固定資産税・都市計画税
- 駐車場・駐輪場代など
- 火災保険等
- 将来のリフォーム費用
などが必要になることがあります。
物件価格以外の購入費用も考える
購入時にも物件価格とは別に費用がかかります。
たとえば、
- 仲介手数料
- 印紙税
- 登記関係費用
- 住宅ローン関係費用
- 火災保険料等
- 固定資産税等の精算金
- 管理費・修繕積立金等の精算金
などです。
必要になる項目や金額は、物件・契約・住宅ローンなどの条件によって異なります。
そのため、物件価格だけではなく「購入に必要な総額」で資金計画を考えるようにしましょう。
購入前に初期費用を確認する
購入を検討している物件がある場合は、物件価格だけで判断せず、初期費用を含めた必要資金を確認しておくと予算オーバーを防ぎやすくなります。
2.希望条件に合う中古マンションを探す
予算が決まったら、希望するマンションを探します。
このとき、すべての希望を同じ優先順位にすると物件を絞りにくくなります。
たとえば、
譲れない条件
- 購入予算
- エリア
- 最寄り駅
- 駅からの距離
- 最低限必要な広さ
- 間取り
できれば満たしたい条件
- 築年数
- 階数
- 方角
- 眺望
- 設備
- ペット飼育
- 駐車場
というように分けてみましょう。
中古マンションは、同じマンション内でも階数、方角、間取り、室内状態などが異なります。
「100点の物件だけを探す」のではなく、自分にとって何が重要なのかを決めて比較することがポイントです。
3.気になる中古マンションを内見する
気になる物件が見つかったら、実際に内見します。
中古マンションでは、室内のきれいさだけではなく、専有部分・共用部分・マンション全体の管理状態を見ることが大切です。
室内で確認したいポイント
室内では、
- 日当たり
- 眺望
- 風通し
- 騒音
- 収納
- 水回り
- 給湯設備
- エアコンの設置状況
- コンセントの位置
- 床や壁などの状態
- リフォームの必要性
などを確認します。
家具を配置した状態を想像しながら見ると、実際に暮らしたときのイメージをつかみやすくなります。
共用部分も確認する
エントランスや廊下、ゴミ置き場、駐輪場なども確認しましょう。
たとえば、
- 清掃されているか
- ゴミ置き場が乱れていないか
- 共用部分に大きな劣化がないか
- 掲示板にどのようなお知らせがあるか
などは、管理状況を考える材料になります。
ただし、1回の内見だけでマンションの管理状態すべてを判断できるわけではありません。
書類による確認も重要です。

4.管理状況・修繕計画を確認する
中古マンション購入では、部屋だけではなくマンション全体を買う視点も必要です。
特に確認したいのが、
- 管理規約・使用細則
- 管理費
- 修繕積立金
- 長期修繕計画
- 修繕積立金の積立状況
- 管理費・修繕積立金の変更予定
- 大規模修繕などの修繕履歴・予定
です。
修繕積立金は「現在の月額」だけを見ない
現在の修繕積立金が安ければよいとは限りません。
将来予定されている修繕工事に対して積立額がどうなっているのか、今後値上げの予定があるのかなども確認したいところです。
マンションの長期修繕計画は、将来予定される修繕工事の内容・時期・概算費用などを整理し、修繕積立金を考える基礎となる重要な資料です。
購入時点の建物の見た目だけで判断せず、これまでどのように管理され、これからどのように維持していく予定なのかまで確認しましょう。
5.購入したい物件が決まったら購入申込みをする
「このマンションを購入したい」と決めたら、不動産会社を通して売主へ購入の意思を伝えます。
一般的には「購入申込書」「買付証明書」などの書面を使用し、
- 購入希望価格
- 手付金
- 住宅ローン利用の有無
- 契約希望日
- 引渡し希望日
- その他の購入条件
などを提示します。
売出価格より安く申し込める?
購入希望価格を提示し、売主と価格交渉を行うことはあります。
ただし、値下げ交渉をすれば必ず安く買えるわけではありません。
売主が提示条件に応じるかどうかを判断します。
また、複数の購入希望者がいる場合などは、価格だけではなく契約条件やスケジュールなどを含めて調整されることがあります。
購入申込みと売買契約は別
購入申込みをしただけで、売買契約を締結したことになるわけではありません。
とはいえ、売主側も契約に向けた準備を進めるため、購入意思が固まっていない段階で安易に申し込むのは避けましょう。
6.住宅ローンの事前審査を受ける
住宅ローンを利用する場合は、事前審査を進めます。
事前審査では金融機関が、
- 年収
- 勤務先
- 勤続状況
- 借入希望額
- 他の借入状況
- 購入予定物件
などの情報をもとに審査します。
金融機関によって審査内容や必要書類などは異なります。
また、
事前審査に通った=本審査も必ず通る
という意味ではありません。
物件探しを本格化する段階で、自分の資金計画や住宅ローンについて不動産会社や金融機関へ相談しておくと、その後の手続きを進めやすくなります。
7.重要事項説明を受ける
売買契約を締結する前には、重要事項説明を受けます。
重要事項説明は、購入予定の不動産について、契約を判断するうえで重要となる事項の説明を受ける手続きです。
中古マンションでは、たとえば、
- 登記記録に記録された事項
- 法令上の制限
- 敷地や建物に関する事項
- 管理規約
- 管理費
- 修繕積立金
- 契約解除に関する事項
- 違約金等
- その他契約判断に重要な事項
などを確認します。
重要事項説明は「説明を聞けば終わり」ではありません。
分からない用語や気になる条件があれば、契約前に確認しましょう。
特に中古マンションでは、毎月支払う管理費・修繕積立金だけでなく、管理や修繕に関する資料も確認しておくことが大切です。
8.売買契約を締結する
重要事項説明を受け、物件・取引条件を確認したうえで売買契約を締結します。
契約時には売買契約書の内容を確認し、署名等を行います。
また、契約内容に基づき、買主から売主へ手付金を支払うケースが一般的です。
契約後は簡単にキャンセルできない
ここは購入申込みとの大きな違いです。
売買契約締結後に契約をやめる場合は、
- 手付解除
- 契約違反による解除
- 住宅ローン特約による解除
など、契約内容や状況によって扱いが変わります。
「気が変わったからいつでもキャンセルできる」と考えないようにしましょう。
契約前に、
どのような場合に解除できるのか、いつまでなのか、金銭的な負担が発生するのか
を確認しておくことが重要です。
9.住宅ローンの本審査・契約を進める
売買契約後、住宅ローンを利用する場合は本審査を進めます。
審査で承認され、必要な手続きが整ったら、金融機関との住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)を行います。
ローン特約も確認する
住宅ローンを利用する売買契約では、一定の条件で融資承認が得られなかった場合に契約を解除できるよう、住宅ローン特約が設けられることがあります。
ただし、
- 対象となる融資
- 借入予定額
- 融資承認期限
- 解除期限
- その他の条件
などは契約内容によって異なります。
そのため、
「住宅ローンが通らなければ、必ず自動的に契約がなくなる」
と考えず、契約書に定められた条件を確認してください。
10.引渡し前に物件を最終確認する
決済・引渡し前に、物件の状態を確認する機会が設けられることがあります。
契約内容などと照らし合わせながら、
- 室内の状態
- 売主が撤去することになっていた物の有無
- 引き渡される設備
- 契約後に大きな変化がないか
などを確認します。
確認方法や実施時期は取引によって異なるため、不動産会社へ確認しましょう。
11.残代金を決済し、登記手続きを行う
いよいよ決済です。
買主は売買代金からすでに支払った手付金等を差し引いた残代金を支払います。
住宅ローンを利用する場合は、融資実行と残代金決済を同日に行うケースがあります。
また、契約内容に応じて、
- 固定資産税・都市計画税
- 管理費
- 修繕積立金
などを売主・買主間で精算することがあります。
所有権移転登記
売買によって所有者が変わるため、所有権移転登記の手続きを行います。
住宅ローンを利用する場合は、金融機関のための抵当権設定登記も必要になるのが一般的です。
不動産の権利に関する登記について、司法書士へ手続きを依頼するケースがあります。
12.鍵を受け取り、物件の引渡し
残代金の支払いなど必要な手続きが完了すると、売主から鍵等を受け取り、物件の引渡しとなります。
ここで中古マンション購入の大きな手続きは一区切りです。
ただし、引渡し日と実際の引越し日は同じでなくても構いません。
リフォームをする場合は、引渡し後に工事を行ってから入居するケースもあります。
13.引渡し後は入居準備を進める
引渡し前後には、
- 電気
- ガス
- 水道
- インターネット
- 火災保険等
- 引越し
- 管理組合・管理会社への必要な届出
なども確認します。
マンションによっては、引越しやリフォーム工事について事前申請が必要な場合があります。
特にリフォームを予定している場合は、工事内容に制限が設けられていることもあるため、契約前の段階から管理規約・使用細則などを確認しておくと安心です。
中古マンション購入にはどのくらいの期間がかかる?
中古マンション購入にかかる期間は一律ではありません。
特に大きく変わるのが物件探しにかかる期間です。
すぐに希望物件が見つかる人もいれば、数か月以上探す人もいます。
物件が決まってからも、
購入申込み → 契約 → 住宅ローン → 決済・引渡し
と複数の手続きがあります。
「○月までに入居したい」という期限がある場合は、引越し日だけを見るのではなく、住宅ローンや契約・決済まで含めて逆算して動きましょう。

中古マンション購入で失敗を防ぐ5つのポイント
1.「借りられる金額」だけで予算を決めない
住宅ローン返済だけでなく、管理費・修繕積立金・税金など購入後の費用まで考えます。
大切なのは、購入できる価格ではなく、購入後も無理なく支払い続けられる価格です。
2.室内だけで判断しない
中古マンションでは、共用部分やマンション全体の管理状態も重要です。
内見と書類確認の両方で判断しましょう。
3.修繕積立金は月額だけを見ない
現在の金額だけでなく、長期修繕計画、積立状況、将来の変更予定なども確認します。
4.契約条件を理解してから署名する
特に、
- 手付金
- 契約解除
- ローン特約
- 引渡し条件
などは重要です。
分からないことを残したまま契約を進めないようにしましょう。
5.購入価格と諸費用を合わせて考える
物件価格が予算内でも、諸費用を含めると必要資金が想定を超えることがあります。
購入申込み前の段階で、一度総額を確認しておくことをおすすめします。
中古マンション購入のよくある質問
Q.内見した日に購入申込みをしてもいい?
購入したいと判断できれば、内見当日に購入申込みをすることはあります。
ただし、急いで申し込むこと自体が目的ではありません。
価格や資金計画だけでなく、物件状態やマンションの管理状況なども確認して判断しましょう。
Q.購入申込みをしたらキャンセルできない?
購入申込みと売買契約は同じものではありません。
ただし、申込み後は売主側も契約に向けた調整を進めるため、購入意思が固まっていない状態で安易に申し込むべきではありません。
また、売買契約締結後は契約内容に基づく解除の問題となるため、購入申込み後とは扱いが大きく異なります。
Q.住宅ローンの事前審査はいつ受ける?
購入したい物件が決まってから申し込むこともありますが、物件探しを本格化する段階で金融機関へ相談する方法もあります。
事前審査のタイミングや必要書類は金融機関等によって異なるため、早めに確認しておくとよいでしょう。
Q.中古マンションは管理費と修繕積立金も払う?
一般的な分譲マンションでは、管理費や修繕積立金が設定されています。
金額だけではなく、将来の変更予定や長期修繕計画なども確認しておくことが大切です。
Q.引渡し日からすぐ住める?
物件の状態や契約条件によります。
そのまま入居する場合もあれば、引渡し後にリフォームを行ってから入居する場合もあります。
リフォーム予定がある場合は、マンションの管理規約等による工事制限や申請手続きについても事前に確認しましょう。
まとめ|中古マンション購入は物件探し前の準備から始まる
中古マンション購入の基本的な流れは、
資金計画 → 物件探し → 内見 → 購入申込み → 重要事項説明 → 売買契約 → 住宅ローン → 決済・登記 → 引渡し
です。
初めて購入すると、どうしても「どの物件を買うか」に目が向きます。
しかし、物件を探す前の資金計画や、マンションの管理状況、契約条件を確認することも同じくらい重要です。
特に中古マンションでは、室内だけではなく、
管理費・修繕積立金・長期修繕計画・管理規約など、マンション全体について確認すること
がポイントです。
また、購入価格以外にも諸費用がかかります。
気になる中古マンションが見つかったら、「物件価格はいくらか」だけではなく、購入するために総額でいくら必要なのかも確認してから資金計画を進めましょう。
