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計算してみよう!不動産売却いくら残る?費用・税金の計算方法

  
不動産売却で手元にいくら残る?費用・税金の計算方法
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計算してみよう!不動産売却いくら残る?費用・税金の計算方法

不動産を2,000万円で売っても、2,000万円すべてが手元に残るわけではありません。仲介手数料、住宅ローンの返済、売却で利益が出た場合の税金などがあるためです。

手元に残るお金は「売却代金 − 売却にかかる費用 − ローン返済 − 売却による税金」で考えます。この記事では、同じ物件の数字を最後まで使い、計算を順番に説明します。

1.まず結論|手元に残るお金の計算

次の条件は説明用の架空の事例です。税金の特例は使わず、長期譲渡所得に該当するものとします。

① 売却価格2,000万円
② 売却に直接かかる費用−100万円
③ 住宅ローン残高の返済−500万円
④ 売却益にかかる税金(概算)−98.53万円

2,000 − 100 − 500 − 98.53 = 1,301.47万円

この例で最終的に残るお金(概算)
約1,301万円
④の98.53万円は第5章で実際に計算します。

実際にはローンの繰上返済手数料、抵当権抹消費用、引渡し時の固定資産税等の精算などによって手元の金額が変わります。この例は計算の流れを理解するために項目を絞っています。

2.売却費用100万円の中身

売却費用は「売るために支払うお金」です。まず何にいくらかかるかを確認します。

不動産会社への仲介手数料(税込)72.6万円
売買契約書の印紙税(例)1万円
売却に直接必要だった測量費(仮定)26.4万円
合計100万円

仲介手数料72.6万円はどう計算する?

売却価格2,000万円
2,000万円 × 3%60万円
60万円 + 6万円66万円
66万円 × 消費税10%込み72.6万円

これは売却価格が400万円を超える場合の、一般的な媒介報酬の上限額を速算式で計算した例です。必ず上限額を請求されるわけではありません。印紙税は契約書の作成形態・適用時期等によって異なります。測量費26.4万円は計算をそろえるための仮定で、すべての売却に発生する費用ではありません。

3.住宅ローン500万円はどう扱う?

住宅ローンが残っている物件では、通常、売却の決済時にローンを完済し、抵当権を抹消できるようにします。

売却代金2,000万円
ローンの残高500万円
ローン返済後(ほかの費用を引く前)1,500万円

大事な違い:ローン返済の500万円は、手元に残る現金からは引きますが、原則として売却益にかかる税金の計算では「譲渡費用」として引きません。

4.取得費を計算|昔いくらで買った物件?

税金を計算するには、売却した物件の取得費が必要です。取得費は、購入代金などから建物の減価償却費相当額を差し引いて計算します。

購入した土地の代金500万円
購入した建物の代金1,000万円
取得費に含められる購入時の諸費用(仮定)+50万円
建物の減価償却費相当額−135万円
取得費1,415万円
取得費の計算
1,415万円
500 + 1,000 + 50 − 135 = 1,415

購入時の諸費用50万円の内訳と注意点

購入時の仲介手数料、契約書の印紙税、取得に伴う登記費用・不動産取得税など、税法上取得費に含められる費用が対象です。実際の金額は購入時の書類から確認します。

この計算例では、購入時の諸費用50万円はすべて土地の取得に対応する費用と仮定し、建物の減価償却計算には含めていません。実際には費用の内容と土地・建物への対応を確認し、建物の取得価額に含める費用があれば減価償却費相当額も計算し直します。50万円は実際の定額料金ではありません。

購入後の設備費・改良費も、内容によって取得費に加えられることがあります。一方、日常的な修理や維持管理費を何でも加えられるわけではありません。

5.減価償却費相当額135万円を計算

建物は年数の経過に応じて、税金の計算上、購入時の金額をそのまま使えない場合があります。土地には、この減価償却の計算をしません。

今回の例は「自宅として使用した鉄筋コンクリート造の建物」「建物の購入代金1,000万円」「経過年数10年」と仮定します。

① 建物の購入代金1,000万円
② 非業務用建物の計算で使う係数× 0.9
③ 鉄筋コンクリート造の償却率× 0.015
④ 経過年数× 10年
減価償却費相当額135万円
建物から差し引く金額
135万円
1,000万円 × 0.9 × 0.015 × 10年
建物の購入代金1,000万円
減価償却費相当額−135万円
建物の取得費に残る金額865万円

これは非業務用のRC造の一例です。木造などは償却率が異なり、賃貸に使っていた建物は計算方法が異なります。経過年数は6か月以上の端数を1年とし、6か月未満を切り捨てます。減価償却費相当額は建物の取得価額の95%が限度です。

6.売却益から税金を計算する

ここで第2章の売却費用100万円と、第4章の取得費1,415万円を使います。今回の売却費用は、すべて税法上の譲渡費用に該当するという仮定です。

売却価格2,000万円
取得費−1,415万円
譲渡費用−100万円
譲渡所得(利益)485万円
税金を計算する前の利益
485万円
2,000 − 1,415 − 100 = 485

485万円に何%の税金がかかる?

売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超え、特例を使わない一般の長期譲渡所得を想定します。所得税15%、復興特別所得税(所得税額の2.1%)、住民税5%で計算します。

所得税:485万円 × 15%72万7,500円
復興特別所得税:72万7,500円 × 2.1%1万5,277.5円
住民税:485万円 × 5%24万2,500円
税額合計(概算)98万5,277.5円
第1章④に入る税金
約98.53万円
485万円 × 20.315% = 約98.53万円

税額は説明用の概算です。実際の申告では税額計算・端数処理を行います。所有期間が5年以下の場合や、マイホームの軽減税率などが使える場合は結果が異なります。

長期・短期で税金と手取りはどう変わる?

同じ売却価格2,000万円、取得費1,415万円、譲渡費用100万円、住宅ローン返済500万円でも、所有期間によって税金が変わります。ここでは特別控除・軽減税率などを使わない一般的な計算を比較します。

項目 長期 短期
売却年の1月1日時点の所有期間 5年超 5年以下
所得税・復興特別所得税・住民税の合計税率 20.315% 39.63%
譲渡所得 485万円 485万円
税金(概算) 約98.5万円 約192.2万円
手取り(概算) 約1,301.5万円 約1,207.8万円
長期:485万円 × 20.315% ≒ 98.5万円
短期:485万円 × 39.63% ≒ 192.2万円

税金・手取りの差は約93.7万円

短期の税金の内訳は、所得税145万5,000円(485万円×30%)、復興特別所得税3万555円(所得税の2.1%)、住民税43万6,500円(485万円×9%)で、合計192万2,055円です。手取りは2,000万円−売却費用100万円−ローン返済500万円−税金約192.2万円=約1,207.8万円となります。

「売却日までに5年経った」だけでは長期とは限りません。例えば2020年7月に取得し2025年12月に売却した場合、2025年1月1日時点では5年以下のため短期です。相続した場合は原則として亡くなった方の取得時期を引き継ぎます。税額は端数処理前の概算です。

7.税金が0円になることもある?

あります。例えば一定の条件を満たすマイホームの売却では、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。今回の利益485万円にこの特例を適用できれば、課税譲渡所得は0円となり、譲渡所得に対する税金も0円になる計算です。

特例なしの場合税金 約98.53万円
3,000万円特別控除を適用できる場合譲渡所得に対する税金 0円

3,000万円特別控除は自動適用ではなく、居住状況・売却相手・過去の特例利用などの要件と確定申告が必要です。相続した空き家の特例は別の制度です。また、売買契約書の印紙税などは、譲渡所得の税金が0円でも別途発生し得ます。

8.相続した不動産・購入代金が分からない場合

相続した場合|親の購入額から手取りまで計算

相続した不動産も、原則として亡くなった方の購入金額・取得時期を引き継いで計算します。相続した日の不動産の評価額を、そのまま取得費にはしません。

次は、第1章と同じ売却価格2,000万円の物件を「親が購入し、子が相続して売却した」と仮定した計算例です。金額は説明用で、特例・取得費加算は適用しないものとします。

親が購入 → 子が相続 → 子が売却
購入

親が土地・建物を購入
購入から売却まで10年
相続

子が不動産を引き継ぐ
取得費は原則引継ぎ
売却

2,000万円で売却
親の購入資料から計算

① 親が購入したときの金額を調べる

土地の購入代金500万円
建物の購入代金1,000万円
取得費に算入できる購入時費用(仮定)50万円

確認する書類:親の売買契約書、購入時の領収書、登記事項証明書、通帳や住宅ローン関係書類など。

② 建物の減価償却費相当額を引く

この例では、建物を親も子も自宅として使用した非業務用の鉄筋コンクリート造とし、建物購入代金1,000万円に対する減価償却費相当額を135万円と仮定します。購入から売却までの経過期間を使い、相続した日から年数を数え直しません。

1,000万円 × 0.9 × 0.015 × 10年

= 135万円

建物の取得費に残る金額:1,000万円 − 135万円 = 865万円

※簡略化した例です。実際は建物の構造・用途・取得時期・経過年数の端数処理、取得費に含める費用の扱いなどを確認します。賃貸に使っていた建物では計算方法が異なります。

③ 相続した不動産の取得費を出す

土地500万円 + 建物865万円 + 土地に対応する購入時費用50万円

= 取得費1,415万円

④ 売却による税金を計算する

売却価格2,000万円 − 取得費1,415万円 − 譲渡費用100万円
= 譲渡所得485万円
485万円 × 20.315%(長期譲渡所得の一般税率)
= 税金 約98.53万円

長期・短期の判定は売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるかどうかで判断します。相続では原則として親の取得日を引き継ぐため、相続して間もなく売っても長期譲渡所得となる場合があります。

⑤ 最後に手元に残る金額を出す

売却価格2,000万円 − 売却費用100万円 − ローン返済500万円 − 税金約98.53万円

= 手取り約1,301万円

このように、相続した不動産でも取得費を計算し、その結果を税金と手取りの計算につなげます。ローン残高500万円は例示用で、実際には残債がない場合もあります。

相続特有の注意点

相続税を納めた場合、一定の要件を満たすと「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」により相続税の一部を取得費に加算できることがあります。また、被相続人の居住用財産(空き家)を売却した場合の特例などもあります。いずれも自動適用ではなく、期限や要件の確認が必要です。相続税の課税価格と売却時の取得費は別のものです。

購入代金が分からない場合

取得費を確認できない場合などには、売却価格の5%を概算取得費として使える制度があります。今回の2,000万円の売却なら、2,000万円 × 5% = 100万円です。

取得費を5%にすると、実際の取得費を使う場合より税額が大きくなることがあります。契約書が見つからないからといって、すぐ5%で計算せず、通帳・ローン関係書類なども確認します。

9.売却前に確認したい書類

売却価格売買契約書・販売条件
ローン残高金融機関の残高証明・返済予定表
購入代金と購入時の費用購入時の売買契約書・領収書・登記資料
建物の構造・購入時期登記事項証明書・購入時資料
売却費用媒介契約・見積書・領収書
特例の適用居住状況・過去の申告状況など

まとめ|2つの計算を分けると分かりやすい

手元に残るお金売却価格 − 売却費用 − ローン返済 − 売却の税金
税金を計算する利益売却価格 − 取得費 − 譲渡費用 − 適用できる特別控除

この2つは別の計算です。特に住宅ローンの返済額と、税金計算上の取得費を混同しないことが大切です。

参考|国税庁の公的資料

建物の取得費の計算(国税庁)

取得費となるもの(国税庁)

譲渡費用となるもの(国税庁)

長期譲渡所得の税額の計算(国税庁)

取得費が分からないとき(国税庁)

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